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本屋さんは、街の文化のバロメーター?

アカ2
どのような本屋さんがあるかによって、その街の文化度がわかるのではないか。
もしそうなら、アカデミアけいはんな店という本屋さんのあるわが街は、
文化度の高い街ということになるのではないだろうか。
わが街といってもこの店があるのは、京都府相楽郡精華町にあるアピタ精華台店の中だから、
奈良市でさえないのだが、わが家からクルマやバイクで15分ほどという距離感ということで、
やや強引ながら、わが街の範囲の中に入れることにする。

アカ
「君の書棚を見せてくれたまえ。さすれば、君がどんな人か当ててみせよう」という言葉がある。
この伝でいけば、どんな本を並べているかによって、その本屋の志向というものが見えてくる。
この店には、新刊書の主だったもの、各社の文庫本や新書、
そして雑誌類といったベーシックなものに加えて
ビジネス系の専門書や・科学・哲学・歴史・社会学などの専門書がずらりと並んでいる。

アカ14
アカデミアけいはんな店は、東京は八王子に本社をもつ
総店舗数190以上のくまざわ書店という大きな書店の一員である。
中・小型店舗が多いそうだが、ここは総坪数が380坪という大型書店。
「専門書も取り扱う大型書店を郊外に」というコンセプトの元に作られたのがこの店で、
通常はくまざわ書店と名乗る所を、新しい取り組みの店ということで、
アカデミアと名づけられている。
アカデミアを名乗る店は、全国でも他には6店舗しかなく、
関西ではここアカデミアけいはんな店のみである。
まあ特別な存在ということですな。

アカ15

アカ12

アカ11

アカ19
この店のモットーは、私流に勝手に解釈すれば
「漫画本から専門書まで。読書のTPOに合わせた品揃え」といった
ふうなものになるのではないかと思う。
この店の奥には、7~8本ほどの大きな書棚が並んでいるが、
そこにはびっしりと専門書関係が並んでいる。
これはさすがに壮観。
初めてこの店を訪れたとき、感動の声を上げましたものさ。
さらに奥にいくと、私のお気に入りのコーナーがある。
直近の新聞書評に載った新刊本などをずらりと展示した「書評の本」のコーナーである。
朝日新聞他の主要な新聞の書評で取り上げられた本が並んでいるのだ。
これは都会型の大型書店では珍しくないが、郊外型の店ではお目にかかったことがあまりない。

アカ10
日曜日の書評に載った本が、その翌日には並んでいることもあって、
書評が出てから取り寄せていたのでは、そんな芸当はできない。
書評で取り上げられそうな本を、書評が出る前から仕入れて並べておくということである。
これは目利きがいないと出来ないことだ。

アカ13
その目利きとは、このお店の店長である陳友映氏のことである。
吹田市在住の三十八歳。なんと二時間近くかけて出勤してくるのだそうだ。
こよなく推理小説を愛するビブリオテークであり、シャーロキアンである。
コナン・ドイルが書いた探偵シャーロック・ホームズを愛する読者のことだ。
最近も新たな翻訳で出た「新訳 シャーロック・ホームズ全集」(光文社文庫)を
全巻読破したとのこと。
やはり古典は普遍だということなのだろが、好きですなぁ。

さて、その陳店長のことである。
書店の店長の仕事とはどんなものなのかと聞いてみた。
店のスタッフの人事一般があり、お客様への対応があり、苦情に頭を垂れることもあれば、
万引きに心を痛めることもある。
色々なことをやらなければならないが、やはり一番の仕事は
書棚に並んでいる本の管理だとのこと。
何を仕入れるのか。何を外すのか。
書棚にもスペースの限界があるから無尽蔵に本を並べておくことはできない。
結構その判断は難しいだろうと想像する。
専門書は早々売れていくものではないが、だからこそ、売れたのをつい見逃す。
するとそこが欠本になる。
それが一冊だけなら目立たないが、色々なジャンルの本がちょっとずつ売れていくにつれて、
書棚のあちらこちらに歯抜けが目立つようになってしまう。
そうなると客側にしてみれば、捜している本がないということになり、
品揃えがイマイチな店というふうに思われたりもする。
一般書から専門書まで品揃えで勝負しようという店としては、看板倒れになってしまうので、
欠本の管理はすごく重要だという。
アカ18

歯抜けを捜すのなんて、書棚を見て廻れば簡単じゃないですか。
素人はそんな問いを店長に向けた。
ところがそう簡単ではないらしい。
二三冊が並んでごっそり抜けていたら分かりやすいかもしれないが、
隅の方、しかも下のあたりでひっそりと抜け落ちているとよほどよく見ないと分からないという。
確かに膨大な量の本が書棚の中に並んでいるわけで、
あちらこちらでちょっとづつ抜け落ちていたら
玄人でも見つけ出すのは至難かもしれない。
コンピュータのデータでも管理するそうだが、
コンピュータはここに欠本ありと指し示してくれるわけではない。
書棚のかわりに、今度はデータに対して目を皿にするということになる。
素人にはわかんねえだろうなぁという陳店長の視線をちらっと感じたが、
いえいえ、大変な仕事であることは薄っすらとではあるが分かりました。
アカ16

あそこへ行けば、必ず捜している本があるだろうと思わせることは、ある意味で凄いことだ。
都心型の大きな書店なら、お客さんも多く、その分、嗜好も多岐に渡るから品揃えをしておく
ということに一定の合理性があるが、郊外型のこの店のような所で、そのような品揃えを
するということは、かなりの思い入れがないことにはそう簡単にできることではない。
毎日の地道な努力が、お店の評判を上げ、売り上げに繋がっていくということなのだろう。

「売り上げなんかより、店のコンセプトだよ。私たちは文化を売っているのだからね!」
なんてことは、誰も言わないわけで、やはり売り上げを上げてこそのものなのである。
だから世紀の大ベストセラーである村上春樹の「1Q84」も売りに売り、
新刊本も雑誌類も充実させているそうだ。
でも忘れてはいけないことがある。

出版社も本屋さんも同じで、売れる本で、売り上げを取っていきながら、
読んで欲しい本、読むべき本を少量でもいいから読者に届ける。
その部分を失ったら、本の世界にいる必要なないのではないかとさえ、過激に思う。
儲けたいのなら、もっと効率よく儲かる商売はいくらでもある。
人様の商売についての勝手な御託だが、本という名のブツを売るにしても、
文化という名の虚勢を売るにしても、どちらか一方に偏るのは実に簡単なことのように思う。

本屋のプライド。
陳店長と話しながら、ふとそんなことを感じた。
ああしたい、こうしたい。ああするべきだ。こうするべきだ。
というような大層なことではなくて、
「ここだけは、けして譲れない」というようなものを持っているかどうか。
商売だから、売り上げを求めるのは当然だとしても、
それだけで良しとはしない心意気みたいなもの。
矜持(きょうじ)という言葉もあって、
広辞苑で調べると「自分の能力を信じて抱く誇り。自負。プライド」とあるが
私のまったく個人的な感覚でいうと「痩せ我慢」というニュアンスをこの言葉に持つ。
無駄で、徒労な事のようにも思えるけれど、これを失くしてしまえば、
全ては無になってしまうようなぎりぎりのラインという感じがする。
どこかの誰かが言っていたような、いなかったような。
つまりは、文化というのはちょっとずつの「痩せ我慢」の集積なのだということ。
なんでも便利で、満たされてばかりでは文化的な生活は送れないようですヨ。

アカ5

私の勝手の思い入れなどどこ吹く風と
店長以下スタッフの皆さんは今日も黙々と働いていることだろう。
この店には木製の洒落た椅子が置かれてあって、
私はこの椅子に腰掛けて、買えもしない高価な本を
座り読みしながら、時折目を上げて、
彼らの仕事ぶりを追っていたりするのだった。


(追伸)
わが街を歩いていても、都会を歩いていても
ついこの間まであったはずの店がなくなってしまっていることに気づく。
経営不振で店仕舞いしたのだろうが、
ああ、気に入っていたのにと長嘆息したりする。
だがそう思うほどに、その店に足しげく通っていたかというと、それほどでもない。
無くなってしまったから、惜しんでいるだけだ。
ないものねだり、というやつ。
実に身勝手な感想である。
だけど私たち消費者がそんな身勝手な思いに囚われているばかりでは、
いい店だなあと思う所はどんどん消えてなくなってしまうのではと恐れる。
これからは気に入った品、お気に入りの店には、ちょうど清き一票を投じるように、
支持表明を表していかなければならないのではないかと感じている。
消費者は王様であるなどと威張っていないで、
自分にとって大切と思えるモノやコトには、 それを守っていくのだという意志を、
消費というかたちで表していくことが必要なのではないだろうか。
そうしないと、いつの間にか、安くて便利だけども
選択肢はほとんどないような商品や店ばかりになってしまうような気がする。
閉店セールで大賑わいになっても、哀しいばかりでつまらないじゃないですか。

以上をもちまして、私の応援演説を終わります。
アカデミアけいはんな店への、皆様の清き一票をお願いします。
アカ6


ACADEMIAけいはんな店
〒619-0238
京都府相楽郡精華町精華台9-2-4アピタ精華台店内
0774-98-4053

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